KNOWLEDGEデータで見る土地活用のポイント

賃貸マンション事業の基礎知識

賃貸事業に必要な経営者としての意識
固定資産税・相続税対策を前提とした経営
マンションの工法など、経営に役立つ基礎知識をご紹介します。

資産活用 土地活用事業には成功の条件があります

データで見る土地活用のポイント

「この時期に賃貸マンション経営を始めるのは良くない」とお考えの地主様がいらっしゃる一方で、「この時期だからこそ賃貸マンション経営を始める絶好の タイミング!!」と断言される地主様もいらっしゃいます。
 前者の地主様(建築消極派)に共通するのは、「他の物件を見ていると空室が目立つ」という理由です。
 一方で、後者の地主様(建築積極派)の見解は、「金利の低下」によって、返済額を抑えられるという点です。 確かに、どちらの見解も正しく、建築するかしないかの明確な判断を下すには、迷うところが多いといえます。

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現在は「調整期」が終わる時期!?

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 右のグラフは、1987~2001年度までの、「貸家」、「持家」、「分譲」の着工実績を表したものです。着工区分に関しては、この3つに加え 「給与住宅」がありますが、今回は省略しています。
 「貸家」は一番上にある太線です。ご覧のとおり、15年間ほぼ下降線を辿っています。 但し、全般的には右肩下がりの実績も、それぞれの時期では、いくつかの特徴が見られます。

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  • 1987~1990
     年間80万戸前後で推移。
     いわゆる「バブル時期」で「固定資産税の上昇」と「家賃の上昇」といった、税金対策と収益性の両面から、土地活用が旺盛に行なわれた時期です。
  • 1991
     対前年に比べ、20万戸近く、実績が急激に落ち込んでいます。いわゆる「バブル崩壊」が、貸家着工実績にも大きく影響した時期といえるでしょう。
  • 1992~1996
    多少の波はあるものの、平均60万戸で推移した時期です。バブルが崩壊し、景気全体は後退基調だったにも関わらず、91年に比べ持ち直したのは、 「国の政策」が、非常に影響したためです。
     ○ 生産緑地法の改正(農業からの転業)
     ○ 固定資産税評価方法の改定(税負担増)
     ○ 消費税改定(建築投資額のアップ)
     どちらかといえば、土地活用せざるを得ない理由が続きました。
  • 1997~2001
     基本的には下降線を辿り、平均45万戸弱で推移しています。 景気後退、様々な政策の終了などによる、低調時代です。
     また、上記のバブル~国の政策により旺盛な貸家着工が続いたため、空室が目立ち始め、地主様も心理的に消極的な判断を下していた時代です。
  • 2002~
    さて、これからの時代…。2002年度の数値はまだ出ていませんが、各月でみると、対前年同月比で増加し始めています。
     上向き基調に転じた理由は様々ですが、ポイントを挙げると次の4点です。
     ○ ここ5~6年間の着工低迷で、空室調整が進んだこと
     ○ 同じく、着工低迷により、工事費の低下が進んだこと
     ○ また、低金利が引き続き進んでいること
     ○ 一方で、固定資産税の負担調整が進み、税額が上昇基調にあること
     これらが重なり、土地活用に踏み切る地主様が増えているのです。

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次号では、上昇基調に転じた2002年の商品特性について、記します。

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データで見る土地活用のポイント

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 前回の「データでみる土地活用のポイント」では、最近15年間の着工実績データ(住宅着工統計)から、現在の賃貸マンション・アパート建築が どのような環境下にあるのかについて検証を行いました。

 様々な節税の観点から、土地活用をすべきとお考えでも、「周辺の物件を見ていると空室が目立つ」との理由により、消極的な判断をなさっている地主様が いらっしゃる一方で、「“金利の低下”や“不況による工事費の低下”」によって投資額や返済額を抑えられるという理由により、土地活用を行なうには絶好の タイミングとの積極的な判断をなさっている地主様もいらっしゃいます。

 このように、同じ環境下でありながらも、地主様がなさっている判断は、まさに両極化しています。

 今回の「データでみる土地活用のポイント」では、このような環境下で、積極的判断をなさっている地主様が建築されている賃貸マンション・アパートについて、 その概要を記して参ります。整理の軸は、企画提案側(建築会社)の視点です。つまり、最近の賃貸商品の傾向を整理・分析することで、どのような点に注意をすれば、 空室が目立っている時代にでも、十分に入居者対応できるのかをヒントにすることができるからです。土地活用をご検討いただく際の一助となれば幸いです。

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最近の賃貸マンション・アパート動向

大手住宅会社・建築会社の新商品動向を以下に整理しました。大きく5つのテーマに分けることができます。

“賃貸永住派”対応  最近の景気低迷で、持家を諦める人が多くなっています。長期間のローンを組むことへの不安や、 ライフスタイルにあわせ、自由に住み替えをする人(賃貸永住派)の増大に対応したものです。
(設備仕様を分譲並のグレードに…。専有面積を広めに…。メゾネット型で戸建感覚…等)
“特別機能”の付加  キッチン、バス・トイレ等の基本設備の充実ではなく、最近高まりつつある、特定の機能(ニーズ) に対応し、その部分での充実化を図っています。
(インターネットへの対応、徹底的な防犯対策仕様、ペット共生、高齢者対応…等)
“デザイン性”の重視  特徴的なデザインにすることで、他物件との差別化を図ろうとするものです。デザインの範囲は、 外構・外観に留まらず、玄関ロビーから室内まで、細部にわたって独自性を打ち出しています。
(コンクリート打放仕上・室内、玄関ロビーの充実化、特注設備仕様、植栽の徹底…等)
“基本ニーズ”の追求  賃貸住宅だからといって我慢を強いられてきた「入居者の不満」を抜本的に解決した商品です。 単に、部材仕様の向上で対応するだけでなく、大掛かりな技術開発を伴ったものも出てきています。
(驚異的な収納力、高い遮音性、採光・採風性の向上、間取りを入居者が決められる…等。)
“ライフサイクルコスト”の重視  環境問題への行政の施策もあり、長期に渡って耐用及び活用できることが重視され始めています。 経営的な視点から、「建築後のコスト(各種点検・修繕費等)」に配慮する意味合いもあります。
(部材仕様を耐久性の高いものにする…。構造・工法的に長期使用に耐え得るものにする…等。)

 以上が、最近の新商品の傾向となります。他の物件との差別化(明確な違いを打ち出すこと)のために、以前に比べ、特徴のある賃貸マンション ・アパートが目立ち始めています。「“建てれば満室になる時代”から、“数多い賃貸物件の中から入居者に選ばれる時代”へ…」。そのために建築会社 も知恵を絞り、新商品を出し続けています。
 しかし一点だけ注意すべきことがあります。今現在(つまり新築時に)、他物件に対して差別化が出来ていたとしても、それが、数十年続く賃貸マンショ ン経営において、きちんと持続できるかどうかは別問題という点です。
  数年経てば、同じようなマンションが増え始め、目新しさも薄れていくことが予想されます。当たり前ですが、建築会社も新商品を考え続けますので、 将来的にも、十分に入居者に選ばれるという意味において、差別化を図っていく必要があるのです。決して一過性で終わることなく、永続的に差別化し続け るためには、何に注力すれば良いのか…。専門家と話し合いながら、見定めていくことが大切です。

 次号では、差別化できる設計・建築をするために、どの程度の費用をかけるべきか、試算例をもとに話を進めてまいります。

データで見る土地活用のポイント

 続いて第二号では、現在の環境を「絶好の機会」と捉え、実際に土地活用に踏み切った地主様が建築されている賃貸マンション・アパートについて、その概要 を記しました。つまり、最近の賃貸商品の傾向を整理・分析することで、どのような点に注意をすれば、空室が目立っている時代にでも、十分に入居者対応できるの かのヒントにすることができるからです。具体的に、その傾向は大きく5つに分類され、「賃貸永住派対応」、「特別機能の付加」、「デザイン性の重視」、「基本 ニーズの追求」、「ライフサイクルコストの重視」がテーマとして挙げられました。

 しかし、5つのポイント(テーマ)に沿って、他の物件との差別化(明確な違いを打ち出すこと)を図ったとしても、それが、数十年続く賃貸マンション経営 において、きちんと持続できるかどうかは別です。数年経てば、同じようなマンションが増え始め、目新しさが薄れていくことも予想され、決して一過性に終わる ことなく、永続的に差別化し続けるテーマを建築に織り込むことが必要なのです。

「収入」=「“1戸(世帯)あたりの家賃”ד入居率”」

 当たり前ですが、「収入」は、上記の式で求められます、そして特に注意すべきが「入居率」です。なぜなら、 入居率が低下すると入居者の確保のために、家賃設定を低くせざるを得なくなり、収入の悪化に繋がるためです。

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