KNOWHOW“プチレストラン型経営”が
賃貸事業を安定させる

賃貸事業を安定させるには
“プチレストラン”を参考に。

お客さまがくりかえしやってくる、
しっかりとしたコンセプトと腕を持った
“プチレストラン”型がこれからの賃貸マンションのスタイル。

入居者アンケートでわかること

 賃貸住宅には、大きく分けて2種類の経営方式があると考えられます。

 それが、居酒屋チェーン方式とプチレストラン方式です。 賃貸住宅の事業経営の良し悪しは、言うまでもなく賃貸住宅の稼働率に比例します。 賃貸住宅の稼働率が高い状態とは、空室率が低い状態のことですから、稼働率を高めるとは、 すなわち空室率を構成する二つの要素<退去率><空室期間>を 下げる・短くする事に他ありません。

 空室率とは下記のような計算で算出されます。

居酒屋チェーン方式経営とは

 居酒屋チェーン方式とは、上記の2つの要素のうち空室期間に着目し、空室期間 を極めて短くコントロールする事で、退去率を問題としない(実際は多いほうが儲かる)事業方針のもと運営される賃貸住宅のことです。

 居酒屋は一般に一人のお客様に長く居座ってもらうより、うまく回転してもらった 方が儲かります。これは一人当たりの客単価を高めに設定していないからで、 少ない人数から多くのお金をいただくのではなく、少ないお金でも多くの人数から集めれば良いと考えているからです。

 同じように、居酒屋チェーン方式の賃貸住宅は、賃貸住宅ではあまり高い家賃は 望めないのだから、安い家賃でも事業採算が取れるように極力建物にはお金を掛 けず、長く暮らしたくなるような住空間を作らない事で、退去率の多さを回転率を高める事によって補う(むしろプラス要因にしてしまう)経営方針といえます。

 この経営方針の前提は、賃貸住宅は仮住まいに過ぎず、従って家賃が手頃で ある事こそが借り手にとって重要なのであり、また家賃が手頃であれば借り手を 付ける事は、さほど難しい事ではないといものです。

プチレストラン方式経営とは

 これに対して、プチレストラン方式とは、借り手に出来るだけ長く借りてもらう事 を事業方針の第一義としています。退去者が出なければ、空室期間が発生しない からです。
 レストランは、居酒屋と違い必ずしも回転率を重視しません。居酒屋とは違い 一人当たりの客単価を高めに設定出来るからです。そのかわり、値段だけの サービスが要求される事となります。

 ところでレストランと一口に言っても入る事も憚れるような超高級レストランから、ファミリーレストランまで様々ですが、ここでプチレストランといっているのは、 いわゆる高級レストランのように特別な日に利用するレストランではなく、常日頃から気楽に利用できるのだけれど、ファミリーレストランなどとは異なり、店の雰囲気もそれなりに小洒落たものとなっている。従って、値段はファミレスなどと比べると若干高めである、そんなレストランの事を指しています。

 要するに、プチレストラン方式とは、賃貸住宅を単なる仮住まいとは考えていない借り手を対象とした賃貸住宅のことであり、そういうタイプの借り手は、若干高い家賃でも小洒落た自分達のライフスタイルを満足させるものを選択するという事を 前提とした経営方針に基づいているのです。

ちいさくてもいつも賑わっているレストランがお手本です。

“居酒屋チェーン方式経営”の賃貸マンションは生き残れない。

 建物を出来る限り安価に仕上げ、地域の相場を守って稼働率を上げる“居酒屋チェーン方式経営”。これは、賃貸マンションの数が入居者の数より少なく、入居者に選択肢がない状況でのみ有効だった経営です。入居者が入らないと、建て替える以外には、家賃を下げるしか方法はなく、次第に経営は袋小路へと追い込まれます。賃貸マンションの部屋余り状況や、現在のような市場変化の激しい時代 は、この“居酒屋チェーン方式経営”を続ける事が厳しい状況にあるといえましょう。

“プチレストラン型経営”とは

 個人経営のプチレストランを思い浮かべてみてください。オーナーがしっかりしたコンセプトと腕を持ち、得意の料理でお客様を迎える。内装はこじんまりしながらも、清潔感にあふれ、個性があって居心地が良い。こんなレストランなら固定客もつき、繁盛するでしょう。しかし、お店は年月を経るごとに老朽化するのは仕方ありません。それに街の様子も少しずつ変わってきます。キッチンの設備にしても、便利なものが出れば仕事の効率化には不可欠です。そこで10年後、見込まれる客層に合わせて内装に手をいれ、設備を追加してリニューアルオープン。オーナーのしっかりしたコンセプトと腕、そして変更可能な空間があるからそれほどお金をかけずに一新でき、 固定客に去られる事なく、新しいお客にも来てもらうことが出来ます。

賃貸経営を安定させるために

 市場調査からわかる時代の流れ、入居者のライフスタイルを賃貸マンションに反映させられる小回りのきく経営。そして特色あるコンセプト。よい「お客さん」にずっと来ていただくため、安定したこれからの賃貸マンション経営は、このような “プチレストラン型経営”がぴったりの思想といえるのです。

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